令和9年度の派遣労働者『一般賃金』が公表|労使協定方式の派遣会社が今確認すべきこと

このようなお悩みはありませんか。
- 「令和9年度も、今の賃金テーブルのままで問題ないのか」
- 「毎年使っている労使協定を、そのまま更新してよいのかわからない」
- 「賃金を見直す場合、派遣料金にも影響するのか確認したい」
厚生労働省は2026年8月28日、令和9年度(2027年度)に適用される、派遣労働者の「一般賃金」の水準を示す局長通達等を公表しました。
労使協定方式を採用している派遣会社では、この一般賃金をもとに、令和9年度の派遣労働者の賃金が基準を満たしているか確認する必要があります。
ただし、確認するのは「時給が上がったか、下がったか」だけではありません。
職種、地域、能力・経験、通勤手当や退職金の取扱い、現在の賃金テーブルなど、自社の運用と照らし合わせて確認することが重要です。
令和9年度の開始直前になって慌てないためにも、公表された今の段階から確認を進めておきましょう。
2026年8月28日に令和9年度適用の局長通達等が公表されました
今回、厚生労働省から令和9年度に適用される「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」等が公表されました。
あわせて、令和9年度の対応に使用する資料として、主に次のようなものが掲載されています。
- 賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金
- 職業安定業務統計による一般基本給・賞与等の額
- 地域指数
- 退職手当制度に関する資料
- 令和9年度一般賃金通達の見直しに関するQ&A
- 令和9年度適用通達に対応した労使協定のイメージ
そのため、労使協定方式を採用している派遣会社では、令和9年度の賃金設計を検討するための資料がそろったことになります。
そもそも「労使協定方式」と一般賃金とは?
派遣労働者の待遇を決定する方法には、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」があります。
労使協定方式では、派遣元事業主が、労働者の過半数で組織する労働組合または過半数代表者と一定の要件を満たす労使協定を締結し、その協定に基づいて派遣労働者の待遇を決定します。
このうち賃金については、局長通達で示される「同種の業務に同一の地域で従事する一般労働者の平均賃金」と同等以上になるように決定する必要があります。
そのため、毎年度公表される一般賃金は、労使協定方式を採用している派遣会社にとって、翌年度の賃金テーブルや労使協定を確認する重要な基準となります。
「前年と同じ労使協定」でよいとは限りません

毎年労使協定を締結している会社では、「前年の協定をもとに日付や金額だけ変更すればよい」と考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、令和9年度の一般賃金に対応する際には、次のような点をあらためて確認する必要があります。
1.選択している職種は実際の業務と合っているか
一般賃金を確認する際は、派遣労働者が実際に行っている業務に対応した職種を選択します。
前年に使用した職種をそのまま使うのではなく、現在の仕事内容と合っているか確認しておきましょう。
2.地域指数は正しいか
一般賃金は、同じ職種であっても適用する地域によって変わります。
複数の地域に派遣している会社では、派遣している全ての地域の地域指数の確認が必要です。
3.能力・経験の区分と賃金テーブルが合っているか
労使協定方式では、能力や経験に応じた賃金水準についても確認する必要があります。
一般賃金の水準が変わった結果、現在の賃金テーブルの一部が令和9年度の基準を下回ることがないか確認しておきましょう。
4.通勤手当や退職金の取扱いも確認する
基本給・賞与だけでなく、通勤手当や退職金についても、会社が採用している方法に応じて確認が必要です。
「基本時給だけ確認して終わり」にならないよう、労使協定全体を確認することが大切です。

社労士コメント
代表:社会保険労務士 中 健次
一般賃金は、金額だけを見ればよいわけではありません。
職種・地域・能力や経験の区分と、自社の賃金テーブルが正しく対応しているかを確認することが重要です。
賃金テーブルの見直しが「派遣料金」に影響することも

令和9年度の一般賃金と現在の賃金テーブルを比較した結果、派遣労働者の賃金を見直す必要が生じる場合があります。
ここで注意したいのが、派遣元会社の人件費だけを見て終わらせないことです。
賃金水準を引き上げる場合、現在の派遣料金のままで適切な事業運営を継続できるのかについても確認する必要があります。
- 令和9年度の賃金水準を満たすために、どの程度の見直しが必要か
- 賃金を変更した場合の社会保険料などへの影響はどうか
- 現在の派遣料金で人件費を確保できるか
- 派遣先との料金交渉をいつから進めるか
など、令和9年度の賃金対応を会社全体のコストまで含めて確認しておくことが重要です。
年度末になってから賃金の不足に気づくと、派遣先との料金調整に十分な時間を確保できない可能性があります。
2026年10月1日の制度改正への対応も確認しましょう
令和9年度の一般賃金への対応とは別に、2026年10月1日から、パートタイマーと有期契約労働者の同一労働同一賃金に関するルールも改正されます。
例えば、短時間勤務あるいは有期契約の派遣労働者として雇い入れるときには、「待遇の相違の内容及び理由等について説明を求めることができる旨」の明示が必要になります。
つまり、今後の派遣会社では、
- 2026年10月1日の制度改正への対応
- 令和9年度の一般賃金への対応
- 令和9年度の労使協定・賃金テーブルの見直し
を並行して確認していく必要があります。
令和9年度対応、こんな状態になっていませんか?
令和9年度の準備を進めるにあたり、次のような状態になっている場合は注意が必要です。
- 毎年、前年の労使協定をほぼそのまま使用している
- どの職種を選択すればよいか自信がない
- 能力・経験区分と賃金テーブルの関係がわかりにくい
- 複数の地域へ派遣している
- 令和9年度の一般賃金と現在の賃金をまだ比較していない
- 賃金を見直した場合の派遣料金への影響がわからない
- 過半数代表者の選出方法に不安がある
- 2026年10月の制度改正への対応もまだ整理できていない
一つでも気になる項目があれば、年度末まで待つのではなく、現在の労使協定や賃金テーブルを早めに確認しておくことをおすすめします。
派遣の労使協定方式について、社労士に相談できること
局長通達を確認しても、「結局、自社ではどの数字を使えばよいのかわからない」というケースは少なくありません。
例えば、次のような内容は社労士に相談できます。
- 令和9年度の一般賃金と現在の賃金テーブルの比較
- 適用する職種や地域の確認
- 能力・経験区分の確認
- 賃金テーブルの見直し
- 労使協定の作成・見直し
- 過半数代表者の選出手続の確認
- 2026年10月改正への対応確認
「今の労使協定・賃金表のままで大丈夫なのか確認したい」という段階から相談することができます。

社労士コメント
代表:社会保険労務士 中 健次
令和9年度の一般賃金が公表された今が、翌年度の準備を始めるタイミングです。
賃金テーブルの見直しが必要か、派遣料金への影響があるかまで早めに確認しておきましょう。
令和9年度の労使協定・賃金テーブルを早めに確認しましょう
労使協定方式を採用している派遣会社では、令和9年度に適用される一般賃金をもとに、自社の派遣労働者の賃金が基準を満たしているか確認する必要があります。
ただし、実際の確認では、一般賃金の金額と現在の時給を単純に比較するだけではありません。
職種、地域、能力・経験の区分、通勤手当や退職金、現在の賃金テーブル、労使協定の内容などを、自社の実態に合わせて確認する必要があります。
社会保険労務士法人 ALLROUND渋谷では、ほぼ毎月派遣事業にかかる労働局調査・定期指導の対応をしている社労士が、派遣法改正に関する対応などのご相談に対応しています。
- 「現在の賃金表のままで令和9年度も問題ないのか」
- 「どの職種・地域を適用すればよいのかわからない」
- 「労使協定を一度まとめて確認してほしい」
といった段階でも、現在の運用を確認しながら、必要な対応を整理します。
令和9年度の開始直前ではなく、局長通達が公表された今の段階から、自社の労使協定・賃金テーブルに問題がないか確認しておくことが重要です。
些細なことでもお悩みがある場合は、お早めに当法人へお問い合わせください。
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